ワビサビはどこから来たのか

侘に関する記述は古く万葉集の時代からあると言われているが、「侘」を美意識を表す概念として名詞形で用いる例は江戸時代の茶書『南方録』まで下り、これ以前では「麁相」(そそう)という表現が近いが、千利休などは「麁相」であることを嫌っていたから必ずしも同義とは言い難い。「上をそそうに、下を律儀に(表面は粗相であっても内面は丁寧に)」(山上宗二記)。

強いて言えば「priceは高くないが、qualityは高い」という概念になろうか。茶の湯では「侘」の中に単に粗末であるというだけでなく質的に(美的に)優れたものであることを求めるようになったのである。この時代、「侘び」の語は「侘び数寄」という熟語として現れる。