オワハラ

平成28年卒業予定の大学生の就職活動で、大手企業を中心とした選考が8月1日に解禁される。すでに一部企業は採用活動を本格化させており、内定者に他社への就活終了を強要する「就活終われハラスメント(オワハラ)」も問題化しているそうだ。文部科学省が30日に公表した調査では、学生からの相談を受けた大学・短大が急増していることが分かり、大学や高校の関係団体で作る「就職問題懇談会」が企業側に自粛を求める緊急声明を発表する事態となったという。
学業に配慮した経団連の指針を受け、加盟企業は今年から面接などの採用活動を例年より4カ月遅い8月から始めることになったそうだ。一方、外資や中小など非加盟企業はすでに採用を本格化させ、8月以降大手へ内定者が流れるのを恐れ、過度な”囲い込み”を行うなどのケースが相次いでいるという。こうした中で同省は、国公私立の大学・短大計82校に調査を行った。その結果、3月1日~6月末に「オワハラ」について学生から相談を受けた学校は68.3%に上り、昨年度から急増したそうだ。「『オワハラ』を受けた経験がある」と回答した学生数も、5月1日時点で75人だったが、7月1日時点では3倍超の232人まで膨れ上がった。
大手企業の採用活動が一斉に始まる8月1日の前後にかけて、研修名目の”拘束”が集中。首都圏在住の学生に大阪で懇談合宿を催したり、内定含み最終面接の終了時間を教えずに日程を立てられなくしたりと強引な手法が目立つという。ある証券会社では、内定者を客船に乗せて2泊3日の海上研修に連れ出すバブル期さながらのケースもあるという。
とりわけ目立つのは、採用担当者の目の前で内定者が携帯電話で他社の内定辞退を強いられるケースだそうだ。電話番号が分からないと抵抗しても、担当者が「私たちが知っている」と主要企業の電話番号を一覧表にした分厚いリストを手渡された学生もいたという。学生も自衛手段を講じ、あらかじめ親や友人の電話番号を企業名で携帯電話に登録しておき、断るふりをすることも多いという。
なぜこのような事態を引き起こしてしまったのだろうか。他社に流れてしまうかもしれない学生を引き止めるのも、強引に引き止めようとする企業の内定を確保するのも、どちらにもメリットは無いように思えるのだが。